シニア世代の運動指導の難しさ・・
久々に失敗・・やってしまいました!!
シニア世代の皆様への運動指導において、今まで若い方の運動指導のプロがしがちなミスとしてあるのは
いたわるべき所をいたわらず、いたわらなくて良いところを過剰にいたわる
という所なのです。
- いたわるべき所・・
というより、知らなければならないことは、シニア世代となると関節にガタがきている人が多く、またその域や方向が人それぞれだということ。なので、理想のトレーニングフォームも教科書どおりではない!!ということ。自分の浅はかな教科書の知識を押し付けて、相手の膝・腰など関節にダメージを与えてしまうパーソナルトレーナーを多く見かけます。
- いたわりすぎてはならない所
これは、介護予防運動教室で多く見かけますが、例えばその運動教室まで歩いて来られる方なのであれば、ずっと椅子で運動しなくても良い。立った方が多くの筋肉を使うし、椅子に座りっぱなしだと腰を痛める事もある。
元気なシニアをおじいちゃん・おばあちゃんよわばりするなっての!! ということなのです。
関節に限らず、シニア世代の方は何か疾患のひとつやふたつ、持っていて当たり前。なので、その疾患の特性を理解しつつ、しっかりリスクも計算しつくして
「ええ加減が良い加減」の絶妙なさじ加減を提供するのがプロというもの。
シニアの運動指導のプロを自認する私は、いたわりすぎる害をわかりすぎるほどわかっているはずなのに、久々にやらかしました。。。
何をやらかしたか、というと・・
教室に来られていたシニア入口くらいの年齢のおしゃれな方、スタイルも良いしシニアと呼ぶには気の毒な感じの方。なのだけれど、病気の後遺症で片方少し麻痺が残り、少し歩きが不自由な方。
教室に来られた時は本当に見るからに歩くのが辛そうで、いたわるのではなく本当に椅子が必要な方でした。私の体操教室だけでなく、身体のメンテナンスもきちんとされていて、自宅でも運動を継続されている頑張りやさん!!
で、その甲斐あって今では5kmのノルディック・ウオークを他のシニアの方とできるようになりました!! もちろんグループでは最後尾で少し遅れてのゴールなのですが・・・
その感動的なゴールの時、周りの仲間もですが、私も思いっきり
「すごいですね!! やりましたね!! もう、本当に感動しましたぁ!!」
みたいなノリで、心から大喜び&大絶賛してしまいました。
その時、その方は少し悲しそうに・・
「私は昔は、こんな風に励まされたりいたわられたりする側ではなかった。誰よりもいつも頑張って・成功して・人をいたわる側だったのに・・」と言われました。
そう、気づいていたはずなんです。この方の本当に尊敬するまでの淡々とした頑張り。美しいスクワットのフォームなんか見ても、どれだけ自宅でトレーニングしてきたか。プライドと挫折。わかっていたはずなんです。
なのに、成し遂げたられことがただただ嬉しく、私までが大げさに騒いでしまった。
きっと、ここで私は、彼女のように淡々と、クールなトーンで
「やりましたね。素晴らしい。」と冷静に結果を喜ぶべきだったのです。
冷静な口調で、でも、しっかりと手を握るとかすべきだった。
きっと輝かしい道を歩んできただろう彼女の人生の中での挫折を思うと、
この成功は単なる点であり、ゴールではない。
前と同じように戻るのは無理だとしても、普通の人のグループから遅れず歩く体力を手に入れて、何か違う新しい輝かしい事を成し遂げれる方なのだ。
それを思うと、トレーナーとして私は失格な態度ではしゃいでしまった。
まだまだ学ぶことばかり。素晴らしい彼女に教えていただいた1日でした。