高齢者体操やシニアのヨガで刺さる曲!!

30年以上運動指導をしていると、今まで体操教室で使った曲やいつか使おうかなって思っている曲、ただただBGMとして流している曲なんかのレパートリーがめちゃくちゃ増えます。

若い方の教室であれば、パワーミュージックさんなんかで探すと良い曲が色々あるのですが、シニア世代の方に刺さる曲ってのは、なかなか難しいのです。

シニア世代の方の運動教室と一言で言っても、選ぶ曲は全く違ってきます。年齢によっても違うのですが、それだけではなく地域性がすごくあります。

例えば、こんな事がありました。ストレッチをする際に、いつもは購入している環境音楽のような曲をかけるのですが、何となく気分でナット・キング・コールのunforgettableをかけたのです。本当にロマンチックな素敵な曲です。(よければ一度聴いてみてください)

5年以上前なのですが、教室が終わった時に、当時80代半ばの薄紫色の髪の美しい受講生のお姉様が来られて「先生、今日は嬉しかった! この曲は無くなった主人との思い出の曲なの」と言われました。

なんて素敵なのでしょう!! こんな地方で、同年代の方ですと、ご主人との思い出の曲といえば、多分裕次郎さんとかなのではないかと思うのです。それはそれでとても素敵なのですが・・・

もちろん、多くの高齢者の方がこように洋楽が好きだということではないのですが、普段カラオケなんかで演歌を歌っている方だとしても、若々しい気分になりたい運動教室では、おしゃれな曲がかかっている方が好きだという方も多いのです。

よく、介護予防運動の研修会なんかで、歌体操とかチェアビクスのような体操をする時に使われている曲は
「もしもしかめよ」とか「ずんどこ節」とか「365歩のマーチ」みたいな曲なのですが、それがウケる場合もあれば、同じ年齢でもそのような曲がかかると「年寄り扱いするな・・」と思われる教室もあるのです。

歌体操

介護予防運動の研修会などに行くと、必ず歌体操などの実技があります。この歌体操、メリットとデメリットがあります。

メリットは、何より対象者に合わせてテンポが変えられるということです。既成の曲だと速すぎたり遅すぎたりする事が多いのですが、自分達で歌えば体力に合わせたテンポにできるし、曲を購入する必要もない。
簡単な振付の場合が多いので、1曲覚えてしまえば指導するリーダーの力量はそんなにいらないという事です。
また、懐かしい曲をみんなで歌うことによる音楽療法効果が見込めるかもしれないので認知症予防の現場などでは良いですし、メンタルケアにもなるかもしれません。

逆にデメリットは、どうしてもお年寄り扱いに感じてしまうという事です。私もとうとう55歳になりました。あと少しすればシニアの体操教室に参加できる年となるわけなのですが、椅子に座って歌体操なんかされたら、多分引きます・・・

これは私が若いからというだけではなく、多くの会場に歩いて来れる元気高齢者は、若々しくなりたくて来ているわけなので、そこで「もしもしかめよ」とか歌わされて椅子で体操などされたくないわけなのです。

私は出来るだけ、例えばデイサービスなんかに招かれて行ったとしても、この歌体操はしないようにしています。音楽療法などのように、歌うのがメインの場合や、認知予防運動などが目的の場合は良いと思うのですが、普通のシニアの運動教室の場合、あなたが思っているよりずっと、80代だろうがおしゃれで若いのです。

演歌ビクス

これは、対象者の方次第だし、また若めでおしゃれな教室だろうと、出し方次第で楽しくできるし盛り上がったりもします。

前述の「ずんどこ節」とか「365歩のマーチ」なんかは明るいし、高齢者が歩くスピードに合っているので楽しくできると思います。

おしゃれな教室だったとしても、たまに演歌で運動すると大ウケする時もあります。都会的な教室の場合は、あくまでも「たまに・・」でなければならない気がしますが・・
例えば「浪花節だよ人生は」という曲の場合、入りが三味線だったりして、もうイントロから大笑いの中で運動が出来たりするのです。

演歌ビクスが受け入れられやすい環境であれば、ひとつの「お約束」とするのも手です。この「お約束」実技効果もかなり良くて、自分や家族が病気になってお休みせざるを得なくても、復帰したとき自分が慣れ親しんだ「お約束」実技があるとブランクを感じず復帰ができたりもします。

用は、この演歌ビクスはリーダーの出し方ひとつで良い味を出すと思います。

おしゃれなクラスの演歌ビクス

リーダーがエアロビクス的な指導ができる場合、日本語でも英語でも良いので、メロディーラインがはっきりしているものが好まれるようです。
私は、時々「日本語がいい? 英語にする?」とかリクエストを聞いたりします。

上記のエアロビクス用の曲を取り扱っているサイトなんかで日本語の曲集などもあり、歌いながらできて楽しいみたいです。でも毎回続くとちょっと嫌がられる気もします。教室の雰囲気にもよりますね。

英語の曲集の場合、楽しい誰でも知っている映画音楽のような曲集とかプレスリーの頃の曲調のものとかが好まれます。なんとなく知っている・・というのが大事だったりします。例えばYMCAとかがかかると、西城秀樹さんが歌っていたものなので、英語バージョンでも大いに盛り上がったりします。
逆に、誰もしらないような、一昔前のユーロビートみたいなものは、単調に聞こえるようであまり盛り上がりません。

曲の速さですが、エアロビクス的な指導ができる方なら周知のことですがBPMと言って、1分間に何拍のスピードの曲を選ぶかが大事だったりします。

これは対象者にもよるのですが、60歳以上の方の教室の場合、130は速すぎかなと思います。元気なクラスで124あたり、もう少し平均年齢が上がれば108〜120あたりを使います。だんだん速くなるタイプのものを購入すると、対象者に合わせて曲が選べるので便利です。

教室の常連さんなんかは130〜それ以上でも全然OKなのですが、全員が楽しめるとなると速すぎるのはどうかと思います。どうしても常連さんの声が大きいのでそれに流されやすかったりするのですが、全員が楽しめるテンポの方が継続率もあがるというもの。スピードの速いノリノリの曲でなくても盛り上げられるのが指導者の腕の見せ所ではないでしょうか。

逆に、あまり遅すぎても動きにくくしんどいですよね。そのさじ加減はリーダーの力量にもよります。

ストレッチやヨガの時の曲

一番音楽をゆっくり感じていただけるのが、このストレッチなどの時にかかる曲。
大きく分けて、歌詞などがない環境音楽的なものやオルゴールなどで奏でる曲・日本語のしっとりとした曲・英語の曲とレパートリー多めで望み、相手の方の様子を見て色々選曲しています。

動きや効果の説明をしっかりしたい時は歌詞がないものを選びます。最近は、自律神経を整えるとか目的別の癒しのCDなども販売されていて、本当に便利です。

その中で、私がよく使っているのは、「自律神経にやさしい音楽」「リラックスの素」「自律神経を整える」「朝美人」「更年期にやさしい音楽」で、どなたでもリラックスできてとても良いですよ♪ググってみてください。

たまには日本語の音楽もとても良いです。時々、涙ぐんで懐かしむ方もいらっしゃいます。
よく私が使っているのは、美空ひばりさんの「愛燦燦」「川の流れのように」とか夏川りみさんの「涙そうそう」
歌詞も美しく、オススメです。

英語の場合、カーペンターズの曲とかとても使いやすい。他には映画音楽もおしゃれなクラスの場合喜ばれます。フランクシナトラとかも良いですしね♪

ムーンリバーとか、ムーンライトセレナーデとかのカバー曲も好まれます。今どきのnoonさんや中島紅音さんが歌っているバージョンのものとかも使えます。

今、シニア世代の方に、「その曲素敵ね、なんて曲だったっけ」と、教室が終わるなりたくさんの方に質問されるのが
「黄昏のビギン」小野リサさんバージョンです。今、若い方が聞かれたとしてもとてもおしゃれで、本当に素敵な曲ですよ。おしゃれな教室でどうぞ!!

音楽の効果

シニア世代に関わらず、この運動の時にかかる音楽の効果は本当にすごいものがあります。気分が上がったり、やる気になったり、心が落ち着いたり・・
特にシニア世代だと、毎回とは言わないですがトレーニングの内容が決まっている場合も多く、楽しみはその時かかる音楽だという方もいらっしゃいます。

昔を懐かしんだり、新しい美しい音楽をきいたりすることで認知症予防やメンタルケアにもなったりすると思うのです。なので、私は音質にもちょっとこだわりますし、選曲にもこだわったりするのです。

今回は、少しですが、私の選曲レパートリーのお裾分けをしてみました♪